金沢大学 医薬保健学域 医薬科学類

研究Research

生命医科学コース統合神経生理学研究分野ホームページ

スタッフ

  • 教 授:三枝 理博(神経科学、神経生理学、時間生物学)
  • 准教授:前島 隆司(神経科学、神経生理学)
  • 助 教:津野 祐輔(神経科学、神経生理学)

主な研究テーマ

  • 中枢体内時計の神経ネットワークメカニズムの解明
  • 中枢体内時計が睡眠覚醒やその他の様々な脳機能を調節するメカニズムの解明
  • 体内時計や睡眠の乱れによる疾患の理解とその改善方法の開発

研究の概要

 私たちは脳の機能に興味を持ち、特に体内時計や睡眠・覚醒の調節メカニズムに着目して研究しています。睡眠・覚醒や行動、様々な生体機能(体温、ホルモン分泌、自律神経機能、等々)は、約 24時間周期のサーカディアンリズム(概日リズム)による調節を受けます。したがって、サーカディアンリズムが乱れると、さまざまな健康障害・疾患のリスクが著しく増大します。脳内の視床下部・視交叉上核が中枢体内時計として機能してサーカディアンリズムを発振し、全身へ時刻情報を送ります。当研究室では、さまざまな遺伝子改変マウスに、電気生理学、薬理学、組織学、行動学、光遺伝学、分子生物学などの最先端の実験手法を適用し、体内時計・睡眠覚醒システムについて研究しています。具体的には、以下の 3つの研究が柱になっています。

  1. 中枢体内時計の神経ネットワーク:視床下部視交叉上核に存在する中枢体内時計が、強固で安定したサーカディアンリズムを発振する神経メカニズムについて、特定の種類の神経細胞のみで遺伝子操作や神経活動操作をしたマウスを駆使し、研究をすすめています。
  2. 中枢体内時計による脳機能の調節:視交叉上核の中枢体内時計が、睡眠・覚醒、行動、摂食、自律機能などを、どのような神経経路や分子によって制御しているのか、明らかにすることを目指しています。光遺伝学・化学遺伝学的手法による神経活動の人為的操作、組換えウィルスベクターを用いた神経回路トレーシング、遺伝子発現プロファイリングなどの手法を用いています。
  3. サーカディアンリズムの乱れと疾患:中枢体内時計を人為的に撹乱することにより、睡眠や行動、生体機能にどのような問題が生じるのかを、明らかにします。さらに、その乱れを正すために、中枢体内時計を自由自在に操作できる技術の開発を目指します。