研究Research
生命医科学コース機能解剖学研究分野ホームページ
スタッフ
- 教 授:尾﨑 紀之(解剖学、神経解剖学、疼痛学)
- 准教授:奥田 洋明(解剖学、神経化学、疼痛学)
- 助 教:堀 紀代美(解剖学、神経科学、疼痛学)
- 助 教:石川 達也(解剖学、神経解剖学、疼痛学)
主な研究テーマ
- 炎症や外傷、様々な疾患などに伴う痛みのメカニズムの解明と新規治療薬の開発
- 機能性消化管障害や筋筋膜性疼痛症候群など、新たな機能性疼痛モデルの開発とその解析
- 痛みの伝導路の神経解剖学的・生理学的研究
研究の概要
痛みは体の異常を伝える警告系として重要です。しかしながら、必要以上の痛みや長期間続く痛みは私たちを苦しめます。当研究室では、異常な痛みに対する新たな治療法を開発するために、痛みのメカニズムの解明に取り組んでいます。
内臓や筋の痛みは、頻度が高く臨床的にも重要で、皮膚の痛みとは様々な点で異なる特徴をもちますが不明な点が多いです。そこで内臓や筋の痛みの受容伝達のメカニズム、疾患に伴う痛みの亢進のメカニズムを明らかにすることに特に力を入れています。
怪我などが治ってもその後、長期に続く痛みを慢性痛と呼びます。慢性痛は警告系としての役割は無く、不安や抑うつ状態などを引き起こして生活の質を低下させる問題があります。慢性痛動物モデルを用いて、慢性痛発症のメカニズムの解明や治療の研究にも取り組んでいます。
いずれの研究においても、生命現象を分子から個体レベルまで理解することの重要さを踏まえ、形態・生理・分子細胞学的手法を駆使し研究を進めています。
A:機能性胃腸症モデルラットでは、バルーン伸展刺激に対する反応性が増大していることから、痛覚過敏の状態であると考えられる。
B:痛覚過敏は、CRF受容体2型の拮抗薬の投与により抑制された。Biochem Biophys Res Commun 519:797-802, 2019より改変
C:糖尿病モデルラットでは、通常反応しない低いバルーン圧でも反応が認められる。
D:痛覚過敏はCCR2拮抗薬の投与により、濃度依存的に抑制された。Mol Pain 14:1744806917751322, 2018より改変