研究Research
生命医科学コース人体病理学研究分野ホームページ
スタッフ
- 教 授:原田 憲一(病理学、肝臓病学、分子細胞生物学)
- 准教授:佐々木素子(病理学、肝臓病学、分子細胞生物学)
- 准教授:佐藤 保則(病理学、肝臓病学、分子細胞生物学)
主な研究テーマ
- 自己免疫性肝疾患の病因・病態の解明
- 肝臓がんの病態,治療に関する研究
研究の概要
病理学は、病気の原因や発生メカニズムを究明することを目的とする学問です。病理学の業務として、患者さんの検査や手術あるいは病理解剖で採取した臓器・組織を顕微鏡で観察し、病気の診断を行っています。この臓器・組織の一部を倫理的な側面に十分配慮した上で、医学や薬学の発展を目的とする研究に使用させていただいています。
病理学の研究の大きな魅力は、「ヒト」の臓器・組織を研究対象とすることです。医学、薬学のすべての研究が目指す最終のゴール地点は「医療への貢献」ですが、実験動物(マウス、ラット)や培養細胞から得られた実験データは、時としてヒトの体内で起きている病気の実態を正確に反映していないことがあります。この点でヒトの臓器・組織の解析を通して得られるデータは、医療の現場に対する直接的なインパクトがより大きいと言えます。
私たちは、全身の臓器に発生する病気の中で肝臓病を専門としています。肝臓病には多くの種類がありますが、「自己免疫性肝疾患」と「肝臓がん」が研究の2本柱です。自己免疫性肝疾患では、原発性胆汁性胆管炎と自己免疫性肝炎という2つの病気を研究対象としています。どちらも発症の詳しいメカニズムは分かっておらず、有効な治療薬は限られており、病気が進行すると肝硬変へ移行していく難病です。この難病の病因・病態の解明を目指して、さまざまな実験手法を駆使して研究を進めています。
肝臓がんについては、大きく肝細胞がんと胆管がんに分類されますが、私たちは胆管がんを対象とした研究を行っています。胆管がんがどのように発生するのか、がんの浸潤や転移にどのような分子が関与するのか、がんの抑制に有効な新たな治療薬ないか、といった観点からがんの制御を目指しています。臨床医療に貢献したいという気持ちを原動力に、私たちは研究に取り組んでいます。