研究Research
創薬科学コース薬理学研究室ホームページ
スタッフ
- 教 授:金田 勝幸(神経薬理学、神経生理学)
- 准教授:出山 諭司(神経薬理学)
- 助 教:西谷 直也(神経薬理学)
主な研究テーマ
- 薬物依存および行動嗜癖の病態解明に関する研究
- 依存性薬物の認知・記憶上昇作用および向社会作用に関する研究
- 精神疾患発症機構の解明と治療法の探索に関する研究
研究の概要
薬理学研究室では、「薬理学」を通して、まだまだ謎の多い「脳」の機能に迫る研究に、学類生、大学院生、および、スタッフが一丸となって取り組んでいます。その中でも、以下の精神・神経疾患の病態メカニズムの解明と新規治療薬の開発につながる研究に注力しています。
麻薬や覚醒剤、違法薬物などの乱用や依存症に関する報道が後を絶ちません。近年では、インターネットやゲーム依存などの行動嗜癖も大きな社会問題となっています。これらの依存症・嗜癖は、単に意志の弱さによるものではなく、脳内でのさまざまな変化を伴う精神疾患です。しかし、それらに対する有効な治療薬・治療法は開発・確立されていません。この大きな理由の一つとして、依存や嗜癖の脳内病態メカニズムがよく分かっていないことがあげられます。私たちの薬理学研究室では、麻薬であるコカインによる独自の依存症モデルやユニークな行動嗜癖モデルを作製し、その病態メカニズムを分子、細胞、神経回路から個体という多様なレベルで明らかにすることを目指しています。これにより、将来的に、薬物依存症や行動嗜癖に対する治療薬や治療法の開発につなげたいと考えています。
一方、依存性薬物の中には、依存や毒性といった有害作用とは別に有用な作用を持つものがあります。例えば、ニコチンはタバコに含まれる成分ですが、記憶力を増強する作用も持つことが知られています。また、MDMA(通称エクスタシー)は若者の間でレクリエーショナルドラッグとして乱用される麻薬ですが、社会性を向上させる作用も併せ持つことが知られています。しかし、これらの有用な作用の発現メカニズムについては不明な点が多く残されています。私たちは、これらの作用メカニズムを解明することで、有害な作用を持たず,有用な作用を示す薬の探索・開発につなげ、超高齢社会で問題となっている認知症や、統合失調症などの社会性障害に対する治療薬の開発に貢献したいと考えています。
そのほかにも、現代のストレス社会で患者数が増加しているうつ病に対する、既存薬よりもすぐれた作用を示す候補物質の探索とその作用メカニズムの解明をとおして、新たな治療薬の開発につなげることを目指しています。
より詳しい情報は研究室のホームページをご覧下さい。