研究Research
創薬科学コース活性相関物理化学研究室ホームページ
スタッフ
- 講師:福吉 修一(有機立体化学、物理化学、計算科学)
主な研究テーマ
- タンパク質内のD-アミノ酸残基に関する研究
- リボソーム—ペプチド相互作用の解析
- 計算化学をもちいた創薬研究
研究の概要
タンパク質内のD-アミノ酸残基に関する研究
生体内のアミノ酸はL-体のみであると教科書には書かれています。しかし、生体内にもD-アミノ酸が含まれていることがわかっています。なかでもタンパク質中に残基として存在するD-アミノ酸は白内障、アルツハイマー型認知症、皮膚硬化、動脈硬化などの加齢性疾患との関連が疑われています。これらの疾患の予防および治療のための足がかりとして、D-アミノ酸生成機構を解明する研究を行なっています。
リボソームとペプチドの相互作用
遺伝子のうちタンパク質をコードする領域は僅か2%しかなく、残りの98%はジャンク(ガラクタ)だと思われていましたが、近年その領域が生命現象に関与しているとして注目を集めています。タンパク質をコードする領域の上流にあるORF上でリボソームがペプチドを合成し、生成したペプチドがリボソーム内出口トンネル付近で停滞を起こすことでタンパク質の合成を停止させると言われています。あるいは生成したペプチドがタンパク質と相互作用することもあります。このペプチド–リボソーム相互作用、ペプチド–タンパク質相互作用がどのように行われているのかをMDシミュレーションやドッキングシミュレーションなどの計算化学的手法を用いて推測することで翻訳制御機構の解明を目指した研究を行なっています。