スタッフ
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- 教 授:吉田 栄人(感染免疫学、寄生虫学、応用昆虫学)
- 助 教:田村 隆彦(免疫学、寄生虫学)
- 助 教:山本 祐太朗(分子生物学、寄生虫学)
主な研究テーマ
- マラリアワクチン・COVID-19ワクチンの開発研究
- 新興・再興感染症に迅速に対応できる汎用性の高い次世代型ワクチンプラットフォームの開発研究
- ウイルスベクターワクチンが誘導する自然免疫応答に関する研究
- 赤血球マラリア感染時における樹状細胞の機能と発生分化メカニズムの解明に関する研究
- 蚊の唾液タンパクを基盤とした抗血小板薬の創薬研究
研究の概要
- マラリアワクチン開発
私たちの研究室の最も大きな目標はマラリアワクチンの臨床応用を実現することです。マラリアは世界中の熱帯・亜熱帯地域で流行しており、毎年約2億2000万人が感染し、45万人が死亡している最悪の感染症です。マラリアの蔓延する地域では発展途上国が多く、高価なマラリア治療薬の導入は難しい上に、マラリア感染を媒介するハマダラカの広範囲の発生はマラリアコントロールをいっそう困難にしています。ワクチン開発は1世紀以上に渡って研究されていますが未だ有効なワクチンはありません。私たちは独自に開発した次世代型ワクチンプラットフォーム(NGVP: Next-Generation Vaccine Platform)を用いて動物モデルで長期間の非常に高い感染防御効果維持に成功しています。AMED, GHITの支援を受けて国内外の研究施設と共同で臨床応用に向けたワクチン開発を推進しています。
- COVID-19ワクチン開発
2021年現在のCOVID-19パンデミックはワクチン接種により一旦収束するでしょう。しかし、ワクチンによる集団免疫の持続性・変異ウイルスに対する効果に関するエビデンスが得られるまではワクチン接種が続けられると予想されています。私たちはマラリアワクチン研究で長期間の有効性が確認されているNGVPを応用して感染防御効果が持続する革新的なCOVID-19ワクチンの開発を実施しています。同時に、アフリカの乳幼児にも格差なく接種される安価でかつ高付加価値のあるマラリア/COVID-19 2価ワクチンの開発にも取り組んでいます。新興・再興感染症アウトブレイクに対して、遺伝子情報入手後半年以内にワクチンの作製を提案することが可能となり、喫緊の国内感染症対策、国産ワクチンイノベーションにつながる重要な研究を実施しています。
- グローバル・パートナーシップの活性化
マラリア研究に関連した二国間交流事業をオックスフォード大学(世界大学ランキング2020 1位)、インペリアルカレッジ・ロンドン(10位)と10年間継続的に実施してきており、2020年度からはケンブリッジ大学(3位)との二国間交流事業をスタートしています。世界トップランキング大学との国際共同研究に学生の参加を促し、グローバル・パートナーシップの活性化を推進しています。薬学研究機関として類を見ない先駆的ワクチン研究を学生と取り組んでいます。